ありがとう。
「5人とも、どこに行くのであーるか!」
そういう福ちゃんは追いかけて来なくて・・・だから、やっぱり “ちゃんと福を運んでる” 人だなって心の中で感謝した。
私たちが奏を追いかけて着いた所は、町1番に大きくて設備が整った病院だった。
「---ですから、その方は本日の朝に他の病院に移されまして・・・・。」
「場所は?!」
「患者様のそういうことは、親族の方以外にはお伝えできません。」
「そこをどうか----
奏は病院の受付で必死に何かを頼んでいた。
「奏!!」
私の声に振り返った奏は、今までみたことのない必死で辛そうな顔をしていた。
優の時よりも、必死な・・・・
「あなた、もしかして奏君かしら?」