ありがとう。
伝説の向日葵
《奏side》






ガラッ



「美喜!!」





俺は中西さんに教えてもらった、町から少し離れたとある市にある、県の中で1番大きい病院にたどり着いた。





美喜の病室を力強く開け放った時




そこに見えたのは、



泣いている母親の姿と



ベットの上で白い頬をさらに青白くし、目を閉じたまま動かない少女の姿だった。





「美喜?」



俺は目の前の彼女の姿を認めたくなくて、呼びかける。




「美喜?」



いつもみたいに返事して。



大好きな美喜の笑顔を見せて。





ベットの上に近づくと、彼女の白い頬を触る。




「美喜?・・・何か言って?」



頼むから、起きて。




「奏。」



勝利の声に美喜を見ていた顔をあげて、みんなを見る。





誰の目にも、涙が溜まっていた。




みんな、目の前の美喜を認めようとしなかった。




そして、最初にそれが溢れたのは、



長谷川 だった。







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