ありがとう。






「みきぃーッ。」



「南海。」



顔を手で覆い、涙が止まらない長谷川を勝利が優しく抱きしめた。




「これ、現実?」



「詩歌・・・。」



「だって、こんなのないよっ!美喜は折角奏君に!」




詩歌の目からも一雫の涙がこぼれ、それを合図に一斉に溢れる。




気付けば、みんな泣いていた。



白鳥も、勝利も…俺も。






「奏君--。」



突然、聞き覚えのある声がした。




「おばさん・・・ 。」



「美喜は、最近よく笑うの。作り笑いじゃなくて、心から楽しそうに笑うの。」




突然、何言い出すんだよ?



美喜はまだ4ヶ月は生きられるんだろ?




まだ---




「もう、あと1ヶ月なの。」






は?








< 202 / 288 >

この作品をシェア

pagetop