ありがとう。
「さっき、発作が起きたの。お医者様は言った。『永くて1ヶ月』って。」
嘘だろ?
どうせ勝利とかがくだらないドッキリでもしかけてんだろ?
なあ、そうだろう?
「奏君。美喜はこの一年幸せだった。友達が出来て好きな人ができた。
もう、何もいらないと思うから。--ありがとう。」
「何がっ・・・!俺たちは何も出来なかった。美喜の辛さを何も知らなかった!」
「奏、これどういうことだ?」
……そっか、勝利たちは何も知らないんだよな。
もし、俺と同じ痛みを、この苦しさを背負ってしまうなら知らない方が幸せなんじゃないか?
「知らない方がいいと思うからー
「何言ってんの?!ふざけないでよね!私たちがどれだけの思いでここまで来たと思ってんの?!」
俺の言葉は途中で詩歌に遮られた。
「私たちは、美喜のことを思ってる!」