ありがとう。







「そうだよ奏・・・教えて。美喜は一体ッ。」



その時、美喜のお母さんが立ち上がった。




「奏君。あの日、私のところに来て『美喜の見舞いに何でいかないのか』って言ってくれてありがとう。」



「俺は何もしてないですよ。」




そう、あの時俺は、美喜の気持ちを伝えてあげられなかった。





「いいえ。あなたに言ってから、考えたの。本当にそれが正しいのかって。
実は夫は東京で単身赴任しているの。」



だから、美喜のお父さん、病院に来れなかったのか。




「夫とも話したわ。それで私たちは美喜を1人にしているって気付けたの。私たちが守らなきゃいけないのに、守ろうとしていなかった。」



だから、みんなにも美喜のこと知って欲しい



そう言った美喜のお母さんは、この前の人とは思えないほど優しい笑顔をしていた。





そして、美喜のお母さんは勝利たちに美喜の病気のことを伝えた。







< 204 / 288 >

この作品をシェア

pagetop