ありがとう。
「そうだよ奏・・・教えて。美喜は一体ッ。」
その時、美喜のお母さんが立ち上がった。
「奏君。あの日、私のところに来て『美喜の見舞いに何でいかないのか』って言ってくれてありがとう。」
「俺は何もしてないですよ。」
そう、あの時俺は、美喜の気持ちを伝えてあげられなかった。
「いいえ。あなたに言ってから、考えたの。本当にそれが正しいのかって。
実は夫は東京で単身赴任しているの。」
だから、美喜のお父さん、病院に来れなかったのか。
「夫とも話したわ。それで私たちは美喜を1人にしているって気付けたの。私たちが守らなきゃいけないのに、守ろうとしていなかった。」
だから、みんなにも美喜のこと知って欲しい
そう言った美喜のお母さんは、この前の人とは思えないほど優しい笑顔をしていた。
そして、美喜のお母さんは勝利たちに美喜の病気のことを伝えた。