ありがとう。






まるで何かに導かれるように、俺は走った。




俺の後を勝利たちがついてきてきた。




美喜。



お前は不幸じゃないだろ?




だって、こんなにもみんながお前を好きでいる。





町に向かってバスに乗り、ついさっき死に物狂いで来た道を引き返す。




歩きなれた俺らの町を迷いなく走る。




知らないはずなのに、まるで知っているように目的の場所を目指す。







どのくらい走ったのだろう?



気付いたら、全員で見覚えのない所に立っていた。




目の前に広がるのは




太陽の光でキラキラと水面が反射をして輝く大きな湖と



湖の前に咲く、美しい綺麗なレモン色の花畑。




周りを深い森が囲み、何の生き物の声もしない。







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