ありがとう。
「ここが・・・・。」
「おとぎ話じゃなかったのね。」
「まるで、ここだけが別世界みたい。」
「生まれてずっとこの町に住んでたのに、この場所を知らなかった。」
目の前に広がる景色に圧倒されながら、俺たちはレモン色の向日葵の花畑へ、歩いた。
ちょうど真上にある太陽の光を全身で受け止める、向日葵の美しい姿。
それは俺たちの目にその存在を焼き付けるように輝いていた。
「ねえ、あれってもしかして。」
白鳥が指差した先には、木だけで出来たーーけれど、持ち主を表すようにしっかりとした 墓が一つあった。
向日葵の花畑の中で、守られるようにたてられていたそれは
“大きな愛情の中で生きている”
そんな気持ちを与えた。
「ここはやっぱり、あの話の・・・・。」
「きっとそうだろうな。」
白鳥の言葉の続きを俺が言うと、1人事情がよくわかってない彼女が冷静に言葉を発した。