ありがとう。
「奏君、やめなさい。」
いつもより、強く厳しい詩歌の声。
詩歌、お前はあの話が俺たちに起こると思っているのか?
美喜が死んでしまうと思うのか?
俺だってそう思ってしまう。
この向日葵を彼女に渡したら、俺の愛する彼女は1ヶ月をまたずに翌日に死んでしまうのではないか……
そう考えてしまう。
だけど
「俺は美喜にこの向日葵を渡すよ。」
だって、美喜が叶えたい願いを持っているから。
美喜がずっと探していたから。
そして何より、この レモンの向日葵が
俺たちに 出会い をもたらしてくれた。
「どうして!?
もし、その向日葵に伝説どおり、願いの叶う力があるのなら、美喜ちゃんは伝説と同じように死んでしまうのかもしれない!
そして、奏君自体が壊れてしまう!!
そんな、2人が不幸になることは絶対起こさせない!」
詩歌、
それは違う。