ありがとう。
「伝説の2人は、不幸じゃなかった。」
「え?」
「だって、たとえ彼女が死んでしまったとしても、彼等はお互いを信じて、思って、いつも一緒にいた。
最期の時まで愛しあっていた。」
だから、彼等はけっして不幸なはずはない。
彼がいてくれたから、彼女は死ねて
彼女がいるから、彼は死んだ
最終的な結果が不幸だとしても、
2人は不幸じゃない。
『俺らの人生は幸せだった。』
そんな声が聴こえた。
もし、美喜が死んでしまっても1人には絶対しない。
いつまでも、一緒だ。
彼女の病気を初めて認めた俺は
レモンの向日葵にそう誓った。
この先に起こる、俺の悲劇のことを考えてみると、
---俺は彼女の病気を受け止めたこの日から、すでに壊れていたのかもしれない。