ありがとう。






「伝説の2人は、不幸じゃなかった。」



「え?」



「だって、たとえ彼女が死んでしまったとしても、彼等はお互いを信じて、思って、いつも一緒にいた。

最期の時まで愛しあっていた。」






だから、彼等はけっして不幸なはずはない。



彼がいてくれたから、彼女は死ねて



彼女がいるから、彼は死んだ






最終的な結果が不幸だとしても、



2人は不幸じゃない。





『俺らの人生は幸せだった。』



そんな声が聴こえた。








もし、美喜が死んでしまっても1人には絶対しない。




いつまでも、一緒だ。






彼女の病気を初めて認めた俺は



レモンの向日葵にそう誓った。






この先に起こる、俺の悲劇のことを考えてみると、



---俺は彼女の病気を受け止めたこの日から、すでに壊れていたのかもしれない。







< 212 / 288 >

この作品をシェア

pagetop