ありがとう。
「あそこは死の世界。
私たちの願いを叶えた今、私たちはいつまでもこの生と死の狭間にいる意味はありません。
彼が彼の願いを伝えて、ここに戻ってきたら、私たちはあの世界に向かいます。」
「アオイさんは亡くなって--。」
私の言葉には答えず、彼女は空を見上げて空から現れた彼に微笑む。
その微笑みには、私には向けられなかった “愛情” があった。
「おかえりなさい、ヨウ。」
「ただいま、アオイ。」
彼はきっとアオイさんと愛し合った人なのだろう。
彼女たちには誰にも壊せない愛を感じた。
きっとそれは、運命さえでも壊せなかったのだろう。
彼女はもう一度、私をみると彼女の願いを私に授けた。
「後悔をしないで、全ての愛を彼に伝えて下さい。」