ありがとう。
美喜を抱きしめながらナースコールを押す。
俺は、たとえ美喜がいなくなってしまうことがあったとしても
お前に出会えた奇跡に感謝する。
バタバタ
ガラッ
「秋塚美喜さん?目覚めましたか?」
「はい。」
「体温、血圧測ります。」
「美喜さん、初めまして。
君の新しい担当の杉崎です。よろしくね。」
美喜の新しい担当の医者は中年の男だった。
「美喜さんが倒れてから検査をさせてもらったよ。明日、結果を伝えるから。」
「はい。」
「あの、すいません。」
「君は?」
俺は杉崎先生に声をかける。
「俺は美喜の・・・その、彼氏の、一ノ瀬奏って言います。」
「美喜さんの彼氏・・・。奏君、ちょっといいかい?」