ありがとう。
「でも、一つだけもしかしたら助かる方法があるらしいの。」
「嘘・・・・。」
今まで、そんな話一度も出なかった。
……ということは、きっと、それなりの危険があるのだろう。
でも、成功したら奏君といられる時間が長くなるのかもしれない。
そんな淡い期待を抱いて私はお母さんを見る。
「それで、その方法って?!」
「実は-----」
聞いた途端、私のその期待は崩れた。
「そんな方法・・・・。」
現実は甘くなかった。
そんなこと、できるわけない。
でも、このままじゃただ死を待つだけ。
「この方法は、今が、できるギリギリの時期らしいの。だから、やるとしたら一週間後。今日中に返事をして欲しいって。」
それなら、少しの可能性にでもかけたい。
奏君ともっと一緒にいたい。
「お母さん、私それやる。」