ありがとう。
《奏side》






『少し、話があるので今から病院の前に来れますか?』




俺の携帯にそんなメールがきたのは、ちょうど2時間目が終わる10分前のことだった。





授業中に外に呼び出されるとか、いく方も呼ぶ方もバカだと思うけど



美喜のメールから送られてきたそれは、



『美喜の母です』



って最後に打たれていた。





美喜に何かあったのか?!




「先生、頭が痛くて熱ありそうなんで、早退します!」



「ちょっと、一ノ瀬君?!」



歴史の女の先生に止められたが、俺は無視して走った。




美喜。



お前は、今度は何をしたんだよ。




また、倒れたのか?




不安と心配と・・・少しの恐怖で頭がいっぱいになった。






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