ありがとう。
《美喜side》





私の上に広がるのは、青く果てしない空。




『奏を愛しているの。』



さっきの夢の声が今も耳に残っている。




『奏にずっと謝りたかった。奏が苦しんでいるのに、私は何も出来なかった。』




辛くて、切ない。



その声はそう語っていた。





『奏をあなたは救ってくれた。奏がもう一度恋をしてくれて嬉しかった。』




顔が見えない。



あなたは誰?




『奏を救ってくれて、奏に恋をさせてくれて、奏を愛してくれて』





あなたはーーーー?



『ありがとう』





そこで目が覚めた。




あの人は誰だったんだろう?




ガチャ



「美喜。」







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