ありがとう。
向日葵に願う







「で、調子はどう?」



「大丈夫。検査の結果も手術可能って言われたよ。」





たった一週間。




いや、もしかしたら今ここでいなくなってしまうかもしれない存在。




それでも、俺はもうお前しか愛せないだろう。





「あ、奏君ありがとう。」



「ん?何のこと?」



「向日葵。私のために見つけてくれたんでしょ?」



「ああ。うん。願い事した?」



「っ・・・うん。」



俺は歯切れの悪い返事に美喜の顔を覗き込む。




その時、気付いてしまったんだ。




美喜の顔をみれば、美喜の考えていることぐらいわかる。




お前は、自分が助かることを願ったわけじゃないんだな?








< 237 / 288 >

この作品をシェア

pagetop