ありがとう。
「美喜、俺はね美喜に全部話して欲しいんだよ。」
そう言うと、美喜は顔をあげないまま消え入りそうな声で話し始めた。
「ごめんなさい。・・・・私、奏君が思っているのとは違うことを願ったと思う。」
「わかる。・・・美喜のことは俺が1番わかってるよ。」
今、後悔していることも。
それでも、やっぱりその願い事で良かったって思っていることも。
お前の顔を見れば、わかるんだ。
お前は、優しいから。
そんな美喜を俺は好きになったから。
だから、言うんだ。
「美喜、愛してる。」
だから、俺にお前の不安も悩みも教えて。
俺の言葉に、美喜は顔をあげて俺の瞳を見つめる。
「私、ずっと奏君のそばにいたいよ。ずっと、ずっと。
結婚もして、子どももつくって、幸せな家庭でおばあちゃんになるまでずっと一緒にいたいよ。」
「俺も、美喜がずっと隣にいて欲しい。」
ずっと一緒に---
「だけど、私は私と同じ苦しみを誰かに感じて欲しくないの。
だから、私の願いはずっと前から決まってるの。
『病気で苦しんむ人を助けてくれる人が、現れますように』
それだけなの。」