ありがとう。
「美喜」
自然と重なった唇。
あと、何回こうしていられるのかな?
そう考えてしまう。
私は奏君と何回も離れようとした。
奏君を諦めようとした。
でも、あなたは何回も私を見つけてくれた。
私の気持ちも知らないで、いっつも追いかけてきた。
私は、もう死ぬまで奏君から離れられない。
違う…
死んでからもずっとあなたのそばにいるよ。
だって
「美喜・・・・美喜・・・・」
あなたがそうやって、何回も愛おしそうに私の名前を呼ぶから、離れられなくなってしまったんだよ。
「奏君--
「名前だけで呼んで。」
私にキスの雨を降らせながら、奏君は私を呼んだ声で優しく言う。
そんなこと言われたら、逆らえないじゃん。
「かな、た。・・・奏。」