ありがとう。
悲しみを涙に
《奏side》






美喜の手術は11時からだが、俺たちサボり組ーーもとい、美喜応援隊は9時に病院に着いた。






「詩歌、お前東京の大学受験するんだろ?いいのか?こんなとこいて。」




正直、詩歌までついてくるとは思わなかった。




こいつは優の事件の後、医者を目指して東京の大学に進学するつもりだ。



「バッカじゃないの?私より美喜のことよ。」



美喜。お前はすごいよ。



詩歌の凍った心を溶かした。






「あの2人って相当性格変わったよね。」



そんな声が俺たちの後ろから聞こえる。




長谷川と白鳥と勝利だ。




「詩歌ちゃんは、元々詩歌様を隠してただけだけど。奏は相当変わったよな〜。親友の俺でもビックリ。」



「なんか、いわゆる俺様っていうか、なんかこう爽やかっぽい印象無くなったよね。」



「昨日、美喜といた時は凄かったよ〜。甘々、溺愛だったからね。それで意地悪っていう。」



「どこの漫画の男よって感じ。」




丸聞こえだし。








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