ありがとう。
美喜、会いたいよ。
お前が隣にいてくれないと壊れそうだ。
……いや、もう壊れてるのかもな。
コンコン
「奏?」
この声が美喜だったら--
「入るぞ。・・・やっぱりここにいたのか。」
「勝利、か。」
「南海が話あるらしいんだけど。」
顔をあげると、勝利が泣きはらした真っ赤な目で俺に驚いていた。
同じように一緒に入ってきた長谷川も、目が充血していた。
「奏、お前泣いてないのか?」
勝利が驚いていたのは、そこか。
「ああ。」
すると、勝利が近付いてきて、俺の頭に手を置いて、撫でてきた。
「俺、男とする趣味ないんだけど。」
「奏、泣け。」