ありがとう。








死にたい。



初めてそう思ったんだ。





心が絶望の中に落とされて



苦しい、辛い、悲しい





いろんな思いが混じり合って悔しくてたまらない。







「死にたい。」




そう言った時だった。






バチンッ!


思いっきり頬が叩かれた。





「奏、知ってるか?俺たちみんな、奏が好きなんだぞ。

もしも、お前が死んだら誰が喜ぶんだよ?ただの自己満足じゃんか。」





俺を叩いた長谷川はまた泣いていた。




「奏が死んでも、美喜は喜ばない!」





そうだ。




俺は美喜の笑う顔が好きだったじゃないか。





名前のとうり、美しく喜ぶ美喜を愛したんじゃないか。









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