ありがとう。






俺は手の中の手紙を自分の体でそっと包み込む。






バカだな。




美喜は本当にばかだよ。







『ありがとう』の下に空いてる微妙な空白のところに消した跡がある。



でも、消しても見えてんだよ。




美喜が考えてることぐらいわかってるんだよ。




本当は、自分で言うつもりだったんだろ?







『ありがとう


永遠に愛しています』







俺もだよ。





気付けば、もう止まらない涙。



俺はそれを拭おうともせずに呟く









「永遠に愛してる。」








空にいるだろう君へ






忘れるもんか。




俺がそんな美喜の勝手な我儘、きくわけないだろ。





それに俺が忘れようとしても、俺の心も体も美喜でいっぱいだから




忘れられない。





一生、美喜だけを愛してる。











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