ありがとう。





「もう一人はね、奏が高校生の時からずっと愛している彼女だよ。」



「え?でも一ノ瀬先生って天才だけど結婚してないってことで有名だよね。イケメンなのにもったいないってみんな言ってるよ。」



「うん。結婚してないよ。・・・・奏の大好きな彼女の所に行こっか。」



勝利が提案する。





「今日は、みんなで集まる予定だったし、一緒にくる?ーーーみき。」



「え、いいの?」



「みきの好きなSIIKAも来るし。」



「うん。一ノ瀬先生の彼女に会ってみたい!」








ーーーーーーーーーー




「久しぶり、詩歌。」



「南海、勝利君久しぶり。理香子も来てるよ。」





待ち合わせのカフェ。



私たちにとって毎年恒例の、美喜のお墓参り。







「まさか、奏がこの日に死んじゃうなんて。」




そう。


今日は美喜の命日だ。




今年でもう、29年目。




美喜が亡くなってから、もうそんなに経つんだね。









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