ありがとう。






私のその呟きは、しっかりと奏君に聞こえた。




「・・・そんなこと、まで聞いたのか。」



あの日、理香子ちゃん達から奏君の過去のを聞かされて、私が思ったことは…




「あの日、体育の時間に私が倒れたことが、優さんと同じだから?」



そう。優さんも倒れたことがあった。



頭から血を流して、苦しそうにしていたらしい。




私が優さんと似ているから、


だから遠ざけたいんでしょ?





奏君は、もう、同じ苦しみを感じたく無いんでしょ?






< 88 / 288 >

この作品をシェア

pagetop