ありがとう。
私のその呟きは、しっかりと奏君に聞こえた。
「・・・そんなこと、まで聞いたのか。」
あの日、理香子ちゃん達から奏君の過去のを聞かされて、私が思ったことは…
「あの日、体育の時間に私が倒れたことが、優さんと同じだから?」
そう。優さんも倒れたことがあった。
頭から血を流して、苦しそうにしていたらしい。
私が優さんと似ているから、
だから遠ざけたいんでしょ?
奏君は、もう、同じ苦しみを感じたく無いんでしょ?