ありがとう。
「優は・・・東京にいなかった。・・・・死んだんだ。・・・・・4月に。」
奏君のその言葉に私は、思わず奏君を抱きしめていた力が抜けた。
私の体は奏君に抱きかかえられた。
「東京に行って、優のお母さんに電話したんだ。
そうしたら、『優は死にました』って言われた。」
「奏君。」
「俺、認めたくなくて。苦しくて、辛くて。
・・・・誰かに助けて欲しかったんだ。
そうしたらさ、浮かんできたのは秋塚だったんだ。」
私は、奏君をもう一度抱きしめて泣いた。