溺愛マイヒーロー
「いない、かな。付き合い長いけど聞いたことないし」
「マジで!」
「すきな人がいる、とかも聞かないなー」
「おー!」
思ったことを素直に話したら、斜め上からは歓喜の声。
俺はようやく、身体ごと振り向いて秋本を見上げた。
「なに秋本、琴里のことすきなの?」
「やー、すきっつーか、雰囲気かわいいじゃん。あとマネージャーっつーのも、ツボ」
「あー」
いるねー、そういうのが好きな人。
まあ実際、マネの仕事ってほんと大変なんだけどね。憧れだけじゃできないっていうか。
本当にそのスポーツが好きで、応援する気持ちがないと。
……その点琴里は、一生懸命なんだよな。
「うん、琴里な、しっかりしてるしオススメだけど」
「だけど?」
「彼女と付き合うには、野球部員全員の承諾が必要になりま~す」
「はあ?! なんだそれ?!」
今度は悲痛な叫びをあげる秋本に、あはは、と笑って俺は前へ向き直る。
──だって“俺らのマネ”が誰かのものになるだなんて、おもしろくないじゃないか。
「マジで!」
「すきな人がいる、とかも聞かないなー」
「おー!」
思ったことを素直に話したら、斜め上からは歓喜の声。
俺はようやく、身体ごと振り向いて秋本を見上げた。
「なに秋本、琴里のことすきなの?」
「やー、すきっつーか、雰囲気かわいいじゃん。あとマネージャーっつーのも、ツボ」
「あー」
いるねー、そういうのが好きな人。
まあ実際、マネの仕事ってほんと大変なんだけどね。憧れだけじゃできないっていうか。
本当にそのスポーツが好きで、応援する気持ちがないと。
……その点琴里は、一生懸命なんだよな。
「うん、琴里な、しっかりしてるしオススメだけど」
「だけど?」
「彼女と付き合うには、野球部員全員の承諾が必要になりま~す」
「はあ?! なんだそれ?!」
今度は悲痛な叫びをあげる秋本に、あはは、と笑って俺は前へ向き直る。
──だって“俺らのマネ”が誰かのものになるだなんて、おもしろくないじゃないか。