溺愛マイヒーロー
オンナノコな理由
「最近さ、なんかやけに琴里がかわいく見える気がする」
「………」
「このあいだも、今まで見たことなかった髪型してたし」
「………」
「なんつーか、女の子女の子してるっつーか」
「……いや、汐谷は一応もとから女だろ」
最初の俺のせりふに絶句していたヒロが、さらに続けた言葉へようやくそうつっこみを入れた。
俺らの視線の先には、ベンチのあたりであわただしく動いている琴里。
「……ようやく目覚めたか?」
「は? なんか言った?」
「いや何も」
よく聞こえなかった言葉を聞き返すと、ヒロは即答して地面に座る俺の背中をゆっくり押してくる。
用があり遅れて部活に合流した俺は、今現在他の部員たちとは少し離れたところで、ヒロにストレッチを手伝ってもらっていた。
「ん~、きらきら? いきいき? まあとりあえず、違って見えるんだよ」
ひとりはぺたりと身体を折りたたみ、そしてもうひとりは前のめりでその背中を押しているという状況ながらも、器用に続く会話。
そんななか、一塁側でキャッチボールをしていた後輩たちに向けられた怒声が、耳に届く。
「こらー! そこの1年ズ! サボってるとプロテイン+生たまごジョッキ飲ませるよー!」
「……言ってることは前と変わらないんだけどなー……」
「………」
「………」
「このあいだも、今まで見たことなかった髪型してたし」
「………」
「なんつーか、女の子女の子してるっつーか」
「……いや、汐谷は一応もとから女だろ」
最初の俺のせりふに絶句していたヒロが、さらに続けた言葉へようやくそうつっこみを入れた。
俺らの視線の先には、ベンチのあたりであわただしく動いている琴里。
「……ようやく目覚めたか?」
「は? なんか言った?」
「いや何も」
よく聞こえなかった言葉を聞き返すと、ヒロは即答して地面に座る俺の背中をゆっくり押してくる。
用があり遅れて部活に合流した俺は、今現在他の部員たちとは少し離れたところで、ヒロにストレッチを手伝ってもらっていた。
「ん~、きらきら? いきいき? まあとりあえず、違って見えるんだよ」
ひとりはぺたりと身体を折りたたみ、そしてもうひとりは前のめりでその背中を押しているという状況ながらも、器用に続く会話。
そんななか、一塁側でキャッチボールをしていた後輩たちに向けられた怒声が、耳に届く。
「こらー! そこの1年ズ! サボってるとプロテイン+生たまごジョッキ飲ませるよー!」
「……言ってることは前と変わらないんだけどなー……」
「………」