溺愛マイヒーロー
俺が首をかしげると、口を開きかけて結局やめて、やっぱり呆れ顔でため息をつくヒロ。

うおい、相変わらずシツレーだな。



「おまえのソレは天然だとしても、相当タチわりぃな」

「なにがー」

「黙れ。」

「え、なんで今イラっとされたの!?」



こわ!! ヒロこわ!! 絶対あの目つきは『てめぇもう口開くな』オーラが出てる……!



「ねぇふたりともー、ちょっと聞きたいことがあるんだけど~」



そこでタイミングよく、そんなことを言いながらこちらに向かって駆けてきた琴里。

地面を蹴るのに合わせて、ふたつに結った髪がぴょこぴょこと揺れている。



「琴里!」

「へ?」



やけに力んで名前を呼ぶ俺に、彼女はきょとんと目を瞬かせた。

その表情もかわいいと思ったけど、構わず続ける。
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