溺愛マイヒーロー
空が青いから恋したい
「あっ、琴里っ!」



部活に向かう廊下の途中、名前を呼ばれて振り向くと。

ぱたぱたとこちらに駆け寄ってくる、瑞穂の姿。



「瑞穂、」

「日曜日の集合時間と場所、覚えてるよね? 11時に、藍坂駅の時計前!」

「……わかってるよ」



苦笑まじりに返事をしたあたしに瑞穂は満足げに笑い、「じゃあ日曜日にね!」と言って去って行った。

それを見送って、ふぅ、と小さくため息。


……合コン、いよいよあさって、かー……。

正直、あんまり乗り気じゃないんだけどな。

だけどあたしには、断る理由も見つからないし。


それに──。



『ッかわいくない! 似合わない!!』



……すきな人に、あんなこと言われちゃうとさ。

もう、ずっとその人だけを見て追いかけていられる自信も、なくなっちゃうんだよ。
< 42 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop