溺愛マイヒーロー
「……はい?」

「いや、そこ聞き返すなよ」



あれ、あたし、耳おかしくなったのかな。

え? 今、なんて聞こえた?



「も、もっかい……」

「もっかい言わすの?!」



くらくらしそうな頭に、悠介の悲痛な叫びが響く。

あたしがうなずくと、彼は複雑そうな顔で「えー……」と小さく呟いた後、コホンとひとつ咳払いをした。



「……俺は、琴里のことがすきなんだよ」



え、スキ? 鋤? 隙? 須木?


………すき?



「え───!?」

「いや、今度は驚きすぎじゃね?!」



悠介はさっきからなんかすごいつっこみ入れてるよ?!

……なんて思っても、言葉にできずに。

あたしは一気に熱くなった顔でただ彼を見上げて、しどろもどろに口を開く。
< 46 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop