溺愛マイヒーロー
「だっておととい、なんか、ゆーすけ機嫌悪かったし」

「……嫉妬したんだよ。琴里が、ヒロとふたりきりでしゃべってるから」

「そんなの、今までだって、」

「……だって琴里、合コン誘われたりしてるし。化粧して、いつもよりさらにかわいくなったりするし」

「か、かわいくないって、言った」

「……あれも、うそ。琴里のことなら、ほんとはいつだって、かわいいと思ってるよ」



ああ、熱い、くらくらする。あたし、しあわせな白昼夢でもみてんのかな。

頬をつねって確かめようと自由な左手を上げかけたら、それより先に、悠介の右手があたしの頬に触れて。

熱っぽい彼の目が、まっすぐにあたしを射抜く。



「……かわいいよ、」



あ、あ。悠介の顔が、近づいてくる。

彼の匂いが、ぐっと濃くなる。

目の前で、まぶたが閉じられる。
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