溺愛マイヒーロー
俺はにやりと笑って、となりのそいつの首にがしっと片腕をまわした。



「あれ、なにヒロ、もしかして俺に彼女ができたらさみしいって?」

「ちげ、」

「まー安心しろよ! もしだいすきな彼女ができたとしても、ヒロともちゃんと遊んでやっから!」

「いっぺんしねば。」



ふっ、わかってるよ。その冷たい言葉も視線も、すべては愛情の裏返しなんだもんな!

心底嫌そうな顔をするヒロに、さわやかさ100%の笑顔をみせる。



「大丈夫。愛してるよ、ヒロ!」

「おまえマジ離れてくれ。頼むから」


「ちょおみんな来て!! 辻と里見がなんか妖しい雰囲気になってる!!」

「うおー!! ついに野球部内で禁断のラブが!!」

「おまえらほんといい加減にしろよ……!」

「うははは」



うん、やっぱ今は、こうやって男友達とぎゃあぎゃあ騒いでるほうが楽しいや。
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