溺愛マイヒーロー
やっぱり照れくさくなって、つながった手をさりげなくほどいたあたしは、悠介の数メートル前を歩く。

明日の合コンは断らないとなぁ、なんて考えながら、地面を見ていたら。



「琴里っ!」



自分の名前を呼ぶ、だいすきな声に振り向くと。

そこには青空を背景にして、これでもかってくらいの、笑顔。



「──愛してる!」

「ッ!?」



……ああ、やっぱり、今までもこれからも、君にはかないそうもない。

恋愛はいつだって、惚れたもん負けなんだろうなって、思うけど。



「ばっ、バカじゃないの?!」

「うはは、照れてるー」



……うん、だけど、それでもいいや。

だってほら、だいすきな君が、となりで笑ってくれるから。










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