可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 もし、リアルでこんな養殖ボケがいたとしたら、その計算高さゆえ、嫉妬や僻みで人間関係が大変そうだな。

 その前に、こいつ、色恋沙汰に浮かれすぎていて、医学部受験は大丈夫か?

 そんな俺の心配をよそに、物語は安西の目指した甘々へと進んでいく。



『「えっ!? 先生、それって……?」

 あたしのことが、好きってことですか?

 それを聞く勇気がないあたしに、先生はいきなりキスをしてきた。

 とまどうあたしに、はっきりと言ったのは。

「これでも、俺の気持ちが信じられない?」

 だった……』



 ……結局、こういう展開になる訳か。

 いきなりキスは無理だと思うぞ。

 この時まだ、吹雪で立ち往生してるだろ、確か。

 車は渋滞に巻き込まれて公道の上にある、そんな状況でいきなり助手席に体を乗り出すのは無理だ。

 ブレーキだけで止まってるとしたら、まずはギアをパーキングに入れて、自分のシートベルトを外さなくてはならない。

 それから、ゆっくりじっくり……は、やっぱりまずい!
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