可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 よし、ここでの任務は終わった。

 あとは集合時間まで、奥地にある『ジャコウネズミの台所』とかいうレストランでまったりしていた。

 暇だ。でも寝過ごしたら困るから眠れない。

 ふと思い出して、ブックマークしている携帯サイトを眺めた。

 安西、ここ最近、全く更新していないようだ。

 やっと勉強に本腰を入れた表れだろうが、ちょっとだけ寂しく感じた。

 あの妄想炸裂がしばらく見られないと思うと、残念だ。

 携帯片手に、こんなところでひとりニヤついてたらおかしい。

 でも、安西の今までの事を考えると、どうしても笑ってしまう。

 ホント、只者じゃないおバカだ。

 学校では今、5時間目の授業が行われているはず。

 授業を真剣に聞いているだろうかと気になった。

 スマホの画面には、彼女のプロフィールが映っている。


『受験勉強に専念するため、しばらくの間お休みします。

 パワーアップして戻って来る予定ですので、どうか3月までお待ちくださいm(_ _)m』


 このように書かれていた。

 ……これ以上、どうやってパワーアップするというのだ、妄想女子!
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