可愛い生徒（ｶﾉｼﾞｮ）の育て方

　源氏物語につけられそうなキーワードを想像してみた。

　イケメン・ハーレム・年の差・身分差・禁断・オフィスラブ・幼馴染・不倫・ホラー・王子（本当は皇子、か）……。

　まだまだあるが、人気が出そうだよな。

　でも、古典なら、他で学んだほうが良くないか？

「ふーん、もったいないな。もっと上を目指す気はないのか？」

「え、上？　これでもういっぱいいっぱいだよぉ」

　最近、俺と話す時の安西の言葉が、少しずつくだけてきている。だが、不快な印象を与えないのは、彼女の性格によるもの、だろう。

「この間の模試の結果、さっき職員室に届いてたから見てきたんだけどさ。聞いて驚け！！　安西の最新の偏差値は……」

「偏差値は、いくつ!?」

　もったいぶって、ちょっと間を空けてみると、安西がまたおどおどした時のうちの犬のような顔で俺を見ていた。

「偏差値は、なんと！59だったぞ！」

「えええええ～～～～～！　それ、国語だけとかいうオチじゃないよね!?」

「もちろん、３教科で、だ」