可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 俺が差し出した写真を、恐る恐る覗き込んでいたが、それを見た彼女の顔はぱぁっと明るくなった。

 本当にわかり易い奴。

「どう、俺の姪。この頃はまだ1歳半になってないと思うけど、今はもう3歳になるんだ。甥もいるんだけど、こっちは5歳のやんちゃ坊主。3歳の女の子って、どんなプレゼントが欲しいんだろうな?」

 それから少しの間、姪に選ぶプレゼントの話をした。

 安西の態度は、すっかり元に戻っていた。

「先生、他にも写真あったよね? 見たいな~」

「他の写真か? ああ、甥の写真もあるぞ」

 閻魔帳から残りの写真を出して見せた。俺に似てる、などと喜んで見ている。

「あれ、先生? その1枚はなあに?」

 
 ……まずい。これだけは絶対に見せられない。

 あと3ヶ月で、俺の『本当の』ストライクゾーンになる予定の、彼女の写真。

 学校祭の時、何気なく撮ったものだったのだが。

 あまりにも、その……。


 ま、まぁそういう訳で、こっそり保存していたのだ。

 適当にごまかして、写真を片づけた。

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