可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「仕方がないだろ。あの場で告られるとはちょっと想定外だったからさ。お前はともかく、他の教員とか夜警さんにみつかるんじゃないかと思って、冷や冷やしてたんだぞ!」

 ……本当はお前に一番聞かれたくなかったけどさ。

「ふ~ん。まんざらでもなさそうだったけど?」

「じゃあ、何て断れば良かったと思う?」

 人の気も知らないで、そんなこと言うな!

 準備室に通して、安西と向き合う。

 ため息をひとつ。


「それとも、OKしたほうが良かったのか? あの子を受け入れたら、俺が今まで築き上げてきたものは全部崩れる」

「うん……」

「それに、俺だって相手を選びたい」


 ……今、目の前にいる相手を。

 素直にそう言えたら、どんなにいいだろうか。

 今はそれを悟られることすら、罪、なのだ。


「……そうだよね。先生にだって好きなタイプとかあるよね」

「まあね」

「ちなみに、先生が好きなタイプって?」
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