可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「お前、どうせまたネタにするんだろ? やだね。教えない」

 本当は、おバカな妄想が大好きだけど、気遣いができて憎めない奴。

 ……って言ったら、どんな顔するのか見たいけどな。 


「お願い、教えて! 気になって勉強が手につかなくなるよ~~~! ネタ帳は最近封印してるから心配しないで!」

「……そういえば、最近更新してないもんな。じゃあ、それに免じて、ひとつだけ教えてやるよ」

「うんうん。どんな人がいいの?」

 俺の好みのタイプを聞いて、自分をそれに近づけようとでも考えているのか?

 可愛い奴。でも、お前はそのままでいい。

 だから。

「……そのとき好きになる子が俺のタイプ、だな」

「何それ! 答えになってないよ~!」

 本当のことは、もうちょっと後に教えてやるよ。

 笑ってる俺を見て、ちょっとだけほっとしたような表情を浮かべた安西が、カバンをごそごそしている。

「先生、クリスマスプレゼント!」
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