可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「俺に?」

「うん。いつもありがとうございますって事で」

 勉強で忙しいはずなのに、用意してくれていたのか。

 その気持ちが、嬉しかった。

 カバンから出した赤い包装紙のプレゼントを渡された。

「開けてもいいか?」

「うんっ! 私なりに、一生懸命考えたの」

 俺が中身を確認する様子を、じっと見つめている。


 中身は、シンプルなフォトフレーム。

 やはり、気遣いのできる子だと思った。


「……ありがとう。大事にするよ」

「うふふ。どういたしまして。バレンタインは何が欲しい?」

「何でもいいのか?」

「え? あのぉ、私のお小遣いで買える程度のものなら……」

 それなら欲しいものはただ一つ。
 
 今の俺が一番欲しいもの。

 それは。


「小遣いは一切使わせない。でも、俺にとって、一番嬉しいものだな。お前からしか、それはもらえない。もしそれがもらえたらもう、俺は最高に幸せになれる」

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