可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 ちょっと、抽象的だったか?

 悩め悩め。

 俺の告られた現場をタダ見したんだから、そのくらいいいだろ。

 全然予想もつかないのか?


「答えは、お前の……」

「……私の?」

 
 ん? 彼女の顔が耳まで真っ赤になった。

 まさか、また妄想の世界で変なことでも考えてるんじゃないよな!?

  
「俺が一番欲しいプレゼントは、お前の合格通知だ!」

「はっ! はいいい~~~~」


 とたんに、安西の顔色が赤から青に変わった。

 ……面白い奴。


 ……こうしてクリスマス・イブは終わった。

 実は俺も、こっそりプレゼントを用意していたのだが、照れくさいのでそんな風には当然言わずにいる。

 姪のプレゼントのついでに買ったことにして、携帯のストラップを渡した。

 首をかしげた上目遣いのダルメシアンを偶然見つけて、彼女にそっくりだと思ったから。

 来年のクリスマスは、今より楽しく過ごせているだろうか……。
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