可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 みんなで初詣にやってきた。

 人ごみの中、はぐれないように子どもたちの手をつないで。

 こうしていると、まるで俺が保護者のようだ。

 ……子どもたちの本当の保護者二人が手を繋いでるってどういう事だ?

 ま、仲良きことは美しきかな、な~んて。

 神様に生徒の合格を祈る。特に、安西はたまにとんでもないおバカをやらかすのでよろしくお願いします……と。

 少し奮発して500円を投げ、しっかり祈った。


 家に帰ってきて、また子どもたちの遊び相手になり、いい加減疲れてきたころに夕食。

 北海道の中でも、新鮮な魚介類が豊富に獲れるこの街ならではのご馳走が並んでいる。

 ……うちも平和になったな。

 夕食が済んで、まったりとテレビでも観ようとしているのに、やっぱり俺にまとわりつく甥と姪。

 まあ、普段ゆっくり遊んでやる時間もないからしょうがないか、と相手をしていた時。


 安西から、メールが届いた。小説のURLを送られて以来、初めてだった。

『あけおめメール』だろうと思って、嬉しくなって開いたのだが……。

 
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