可愛い生徒(カノジョ)の育て方
『こうして、私の卒業式は終わった。

 先生は以前、他の子に言っていた。

「大学へ行って、俺よりいい男を見つけろ」って。

 先生がそれを望むなら。

 大好きな先生が、そう考えているなら。

 私は先生の願いどおり、大学で新しい恋をしよう。

 失恋を癒すには、新たな恋愛が一番、だよね?

 先生よりいい人、見つけられるように頑張るよ。

 きっと、教え子の幸せを願ってくれる先生だから。

 
 数年後、結婚式の案内状を送ってもいいかな?

 私が選ぶ彼との結婚を、祝福してくれるよね。

 先生、今までありがとうございました……』



 ……そのまま黙って、サイト画面を閉じた。

 彼女を傷つけていることは解っていた。

 この主人公は、安西そのもの。

 今回の話は、妄想小説ではない。むしろ、ノンフィクション。

 解っている。

 彼女の本気に向き合わず、逃げていることも。

 俺に封じ込められた言葉を、ここに吐き出していることも。
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