可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「俺がそんなヘマやらかすと思うか!? こんなことでもしなきゃ、もう会ってくれないと思ったんだ」
とにかく会いたかったし、どうしても会う必要があった。
「そうだよ! こんな形で会いたくなかった! 何も言うなって帰しておいて、今度はこんな冗談。
私は、先生のおもちゃじゃないんだもん! バカにしないで!
私がどれだけ傷ついたか、先生にはわからないでしょう!?」
泣きそうな顔をして、俺を睨んでいる。
……胸が痛い。
きびすを返して、玄関へ向かうようなそぶりを見せた。
でも、もう逃がさない。
やっと、つかまえることができる。
優しく彼女を腕の中に閉じ込めた。
そっと、包みこむように。
驚いて固まる安西の耳元に囁く。
「今日は4月1日。やっと、言える」
一瞬、彼女の体がびくっと震えた。
「卒業、おめでとう」
「……今頃遅いよ、先生」
「またネタになるけどな……。卒業式が終わっても、学籍上は3月31日まで、卒業した学校の生徒だ。
……俺の、生徒だ。だから、今日まで言えなかった」
少しだけ力を込めて、抱きしめる。
とにかく会いたかったし、どうしても会う必要があった。
「そうだよ! こんな形で会いたくなかった! 何も言うなって帰しておいて、今度はこんな冗談。
私は、先生のおもちゃじゃないんだもん! バカにしないで!
私がどれだけ傷ついたか、先生にはわからないでしょう!?」
泣きそうな顔をして、俺を睨んでいる。
……胸が痛い。
きびすを返して、玄関へ向かうようなそぶりを見せた。
でも、もう逃がさない。
やっと、つかまえることができる。
優しく彼女を腕の中に閉じ込めた。
そっと、包みこむように。
驚いて固まる安西の耳元に囁く。
「今日は4月1日。やっと、言える」
一瞬、彼女の体がびくっと震えた。
「卒業、おめでとう」
「……今頃遅いよ、先生」
「またネタになるけどな……。卒業式が終わっても、学籍上は3月31日まで、卒業した学校の生徒だ。
……俺の、生徒だ。だから、今日まで言えなかった」
少しだけ力を込めて、抱きしめる。