可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「2日間、ですか? いえ、私はかまいません、というより大歓迎ですが、菫さんは……」

 今、さりげなく凄いこと言われたぞ。

 本人に確認しなくていいのか?

『菫を出していただけますか?』

 携帯を安西に返す。

「もしもし……ずっと、って? お、お姉ちゃん! 私にも心の準備ってものが……」

 安西も焦っているらしい。そりゃそうだ。

 黒いオーラを纏ったお姉さんの策略が、ちょっぴり恐ろしい俺だった……。


 電話の後、二人で夕食。

 昨日、甥と姪が遊びに来たというのは本当。

 姉貴が作り置きしてくれたカレーを食べる。

「やっぱり、お子さんに合わせて作ってあるんだよね?」と、聞かれた。

「いや、俺好み。……笑うなよ。カレーは甘口が好きなんだ」

 普段辛口の俺だが、実は辛いものが苦手だ。

 苦いもの……コーヒーやビールは大丈夫なのだが。

「あ、そうだったんだ。私も、甘口が好き。給食のカレーも好きだったよ」
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