可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「へ~。なるほどなるほど。じゃあ、好きなブランドは?」

「SONY」

「好きな家電メーカーじゃなくって、洋服とかの話!」

「お前、SONYは世界に誇る立派なブランドだろ。洋服? ユニクロからバーバリーまで、何でも着るぞ」

 ちなみにジャージはadidasと決めているが、adidasは他の教員ともカブることが多かったりする。

 まあ、仕方がない。


「それより、試験範囲はいいのか?」

「……そうでした。教えてください」

 試験範囲を聞きに来たはずなのに、教科書を忘れたとかで、ネタ帳にページ数を書き込んでいるところがまたおバカだ。

「先生、ついでにもう一つ質問!」

「……またか」

「女の先生って、やっぱり家庭科とかばっかりですか?」

「う~ん、まあ、家庭科はダントツで女性教員が多いけれど、音楽や体育あたりも結構いるぞ。主要教科なら、国語や英語も多いな」

「そっか。ありがとうございました! よし、また書くぞ~! 先生も見ておいてくださいね~」

 ……行ってしまった。

 
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