可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 それから、第三話の王子様教員。

 こちらも、生徒に手を出す行為はもちろんのこと、財政的に無理があるためダメ出しした。

 採用二年目の教員の給料だけで、それだけの生活ができる訳がない。

 実家からの仕送りに頼る王子様先生……笑えるな。

 ちなみに、公務員は副業禁止なので、アルバイトも当然できない。

 もっとも、バイトなどできるだけの余裕など全くない。

 昼間はへろへろになるまで現場で働き、7時まで部活。

 夜は家で教材研究や事務の仕事を持ち帰る。

 家で孤独に研修記録や指導案検討の準備に追われるのが普通だ。

 副業できるほど甘い仕事ではない。

 そんな中、唯一認められているのが、執筆活動である。

 現役の教員が研究発表をしたり、論文を書くのはよくある話。

 教員同士のスキルアップのため、自分の経験をもとに学級経営や教科指導についての本を出版するのもありふれたこと、だったりする。

「サラダ記念日」の作者である、俵万智氏も、高校の国語科教員として働きながら、執筆活動を続けていたそうだ。

 ちなみに、よく新聞の投稿欄に教員が投稿しているのを見かけるが、これもOKだ。

 ……お小遣いの少ないお父さん教員が、謝礼欲しさに書いているということを聞いたのだが。


 まさか俺も、そのうちそうなるのか!?
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