可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 執事と昼ドラと禁断の学園ものを掛け合わせた、すごい展開にただただ笑えた。

 しかも登場人物はみんな新撰組という、ネーミングセンスのなさ。

 安西、お前ってやっぱり只者じゃないおバカだな。

 これだけの笑える展開を思いつく暇があったら、勉強しろ!


 
 翌日、性懲りもなく、安西は俺の縄張りを荒らしに来た。

「そういえば、ここってどうしていつも先生しか使ってないの?」

「うーん、俺、他の先生に嫌われてるから、かな」

「嘘!?」

「嘘に決まってるだろ。本当の理由はだな~」


 講師に準備室の割り当てはないこと。

 部活で忙しい教員に、生徒会で忙しい教員。

 そして、育児のため時短勤務の教員の話をした。

 ……異動してすぐの俺は、まだこの学校では『お試し期間』みたいなもので、暇なポジションだ。今のうちに、勉強しなければ。

「じゃあ、先生ってどうしてここの学校に赴任してきたの?」

「人事異動の話か?」

「うん。聞きたい!!」

 仕方ない、ざっくりと説明してやるとするか。

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