可愛い生徒（ｶﾉｼﾞｮ）の育て方

「採用2年目以降、担任持たせて経験を積ませて、4年から6年で次の学校へ異動、っていうのがだいたいのパターンだな」

「4年から6年？うちの担任、10年以上この学校にいるって聞いたけど？」
　

「初任の学校は4年から6年で出なくちゃならないけど、2校目からは多少長くいられるんだ」

「へぇ。じゃあ先生もまだ長くここに残れるんだね」

「まぁ、今年来たばっかりだからな」

　そう簡単に出されちゃ困るな。

　これからやっと目標に向かって勉強できる環境に来られたんだから。

　……それから、ちょっとだけ安西には現実的な話を披露した。

「校内人事」の話を少し、小説の参考になりそうなことのみ。

　同じ学年に、新採用は1人、多くても2人とか、な。

　新採用は未熟な上、初任研や視察研が毎月必ずあるから、担任には不向きであること。

　つまり、執事さんと主人公の恋敵である音楽教員は、一緒の学年で共に新採用の担任には、普通はなりえない。

　あとは、公務分掌（こうむぶんしょう）の話も少し。

　生徒にとっても、生徒指導部や進路指導部はなじみがあるだろう。

　だが、生徒からは見えない分掌の仕事の方が実際には多い。