可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「え~~! それ、ホント?」

「半分ホント、半分冗談。夏の進学合宿の話し合いだよ。まだ教務部の中の話し合いだけど、これが全体の会議にかけられて決められるんだ」

「ふーん。どんな内容ですか?」

「それはまだ秘密だ。先生方にだって配ってない資料だし、会議を通してないからな」

「先生って、結構真面目だよね。普段は冗談ばっかりだけど」

「そりゃそうだろう。根は真面目な奴しか教員にはならないって」

「そっか。大変そうだもんね」

「お、やっと解ってくれたか! そうだよ、この仕事、苦労の割に給料少ないし、生徒が可愛くなきゃやってられないって」

 そう、問題アリの奴ほど、卒業してから遊びに来たり、ちゃんと同窓会やってくれたりしてな。

 そんな時はやっぱり嬉しい。

「へえ。やっぱり、生徒は可愛いんだ?」

「当たり前だろ。たまに小憎らしくもなったり、この小悪魔~って叫びたくもなるけどさ」

「ふふふ。なんとなくわかるかも」


 ……本当か!? だったら、勉強しろ!
< 46 / 282 >

この作品をシェア

pagetop