可愛い生徒（ｶﾉｼﾞｮ）の育て方

「そういえば、何で女子は現役の方がいいの？」

「……残念ながら、日本の企業は若い女の子が好きって事だ」

「はい？」

「会社は、少しでも若いうちに女の子を採用したいんだよ。就活に不利な女子の浪人生は、現役生より高い得点じゃないと合格させない短大や女子大がある」

　結婚して退職、産休に育休、時短勤務に旦那の異動でまた退職……。

　女子は早く採用して一人前にしないと、企業としても使えない人材になりかねないと考えるからな。これが悲しい現実だ。

「だから、現役で受かるように頑張れ。その方が親も喜ぶし俺も嬉しい」

「はい。頑張ります」

「よし、いい子だ。今しか出来ないこと、ちゃんとやっとけよ」

　
　例の話をするために、俺は携帯電話をポケットから出した。

「それと、最初の話よりは真面目な教員になってきたようだけど、これはちょっと設定に無理があるな」

「あ、私の小説ですか？」

「そう。一般教員なんだろ？　ならこんな生活維持できるほど給料出てないぞ！」